
カラムクドリは、冬鳥または旅鳥として八重山諸島に飛来するスズメ目ムクドリ科の鳥類です。
本州や奄美地方では稀な迷鳥ですが、石垣島や小浜島など八重山諸島では9月頃から飛来し始め、11月には普通に見られるようになります。
ムクドリやギンムクドリと混群を作ることもあります。
混群はムクドリ類に共通した特徴です。
カラムクドリの画像





カラムクドリの鳴き声
カラムクドリは「キュルキュル」とムクドリのような声で鳴く他、「ピッ」「ビービー」などと鋭く鳴く事もあります。
電線にとまって鳴くカラムクドリ
沖縄「小浜島」でのカラムクドリ

小浜島のカラムクドリは冬鳥として9月頃から姿が見え始め、11月を過ぎると遭遇頻度が上がっていきます。そのまま4月頃まで滞在し、5月〜8月に見られる事はありませんでした。
単独でいる事もありますが、多くの場合は群れで行動していて、電線にもよくとまります。
早朝にはムクドリ類が集まって、電線で混群を作っている様子が、ほぼ毎日ぐらいで観察できていました。
小浜島では樹上で採食行動している事が多く、危険を感じたりして飛び立つと、飛び立った場所を起点にぐるりと飛び回り、元の位置の近くや電線にとまって様子をうかがいます。
もちろん、すぐに遠くへ飛び去ってしまう事もありますが、近くに食べ物がある場合は、なかなかその場所を離れない傾向があるように感じました。
会える時期
小浜島でのカラムクドリの観察記録 | |||||
---|---|---|---|---|---|
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
○ | ー | ー | ー | ー | △ |
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
◎:ほぼ毎日会える|○:数日おきに会える|△:数回しか会えない|ー:会えない|ペア:つがいで確認|若:若鳥確認|雛:雛確認|抱:抱卵確認|鳴:声はするけど姿は見えず(1人での調査記録となります。空欄項目は未調査期間。随時更新予定です。) |
カラムクドリの図鑑情報

図鑑情報 | |
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種名 | カラムクドリ |
サイズ/体重 | 全長約20cm/約61g |
英名 | White-shouldered Starling |
分類 | スズメ目/ムクドリ科/ムクドリ属 |
学名 | Sturnia sinensis |
漢字 | 唐椋鳥 |
時期 | 冬鳥または旅鳥 |
分布 | 東アジアから東南アジアに生息する。 (ブルネイ、カンボジア、中国、インド、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムなど) 日本では、本州から九州、硫黄列島、石垣島や宮古島に分布する。 |
環境 | 平地の人家付近の林や農耕地の防風林など |
行動 | 以前は1〜10羽ほどが時々飛来する程度だったが、近年は毎年のように渡来し、南西諸島では数百羽の個体が渡来する年もある。 林のねぐらから早朝に飛び出し、採食場へと移動する。 採食場では地上よりも樹上での生活が多く、南西諸島の個体は主にクワやアコウ、ガジュマルなどの主にクワの実を好んで採食している。 時には地上に降りて、昆虫類の幼虫らしきものも食べる。 夕暮れには集団になり、ねぐらに向かう。 ムクドリ科に共通して電線に群れでとまる。 |