リュウキュウサンコウチョウは、スズメ目カササギヒタキ科に分類される鳥類で、夏鳥として日本に飛来するサンコウチョウの亜種です。
行動や習性は、亜種サンコウチョウとほとんど変わりませんが、サンコウチョウと比べると、鳴き声のキレがあまりよくありません。
目次
リュウキュウサンコウチョウの画像
【参考文献】サンコウチョウのオスの見た目についての面白い見解「サンコウチョウの3タイプの雄の比較」
リュウキュウサンコウチョウの鳴き声
リュウキュウサンコウチョウのさえずりは「ギュッ、ギュッギュ、チュイチュイ、チュイチュ、チュイチュイ、チュィフゥ、ギュィギュチョイ」とサンコウチョウのさえずりを歯切れ悪くした感じです。
サンコウチョウのさえずりは「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ」と聞きなしされますが、リュウキュウサンコウチョウのさえずりは「月日星ホイホイホイ」と聴こえるほど、ハッキリしたものではありません。(個体差あり)
※サンコウチョウは、メスもさえずると言われているので、さえずっているからといってオスとは限らないので注意が必要です。
さえずり
尾羽の長い個体のさえずり
尾羽の短い個体のさえずり
カラスに体当たりしていた時の鳴き声
沖縄「小浜島」でのリュウキュウサンコウチョウ
小浜島のリュウキュウサンコウチョウは、海岸林や大岳、西大岳やガジュマル群落、歩道脇の込み入った茂みなどに飛来します。
5月頃からさえずりが聴こえるようになりますが、さえずる時期が短く、7月以降に鳴き声を聴くことはありませんでした。(亜種サンコウチョウは、夏の間かなりの頻度でさえずっていたので、リュウキュウサンコウチョウはこんなにもさえずらないものなのかと驚きました。)
リュウキュウサンコウチョウは、亜種サンコウチョウと同じく暗くて高い場所を好みます。
その為、姿を見つけることも難しく、さえずる期間も短いことから、夏が深まるにつれ、その存在を確認することすら難しいです。
リュウキュウサンコウチョウは繁殖の為に小浜島にやってくるので、7月以降も島で活動しているものと思われますが、その気配を感じることはほとんど無く、観察の難しい鳥さんとなっています。
会える時期
小浜島でのリュウキュウサンコウチョウの観察記録 | |||||
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4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
中旬○ | ◎ | ○鳴 | 鳴 | △ | 中旬△ |
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
ー | ー | ー | ー | ー | ー |
◎:ほぼ毎日会える|○:数日おきに会える|△:数回しか会えない|ー:会えない|ペア:つがいで確認|若:若鳥確認|雛:雛確認|抱:抱卵確認|鳴:声はするけど姿は見えず(1人での調査記録となります。空欄項目は未調査期間。随時更新予定です。) |
リュウキュウサンコウチョウの図鑑情報
図鑑情報 | |
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種名 | リュウキュウサンコウチョウ |
サイズ/体重 | オス:全長45cm、メス:全長18cm(翼開長28cm)/オス:29g、メス:19g |
英名 | Japanese Paradise Flycatcher |
分類 | スズメ目/カササギヒタキ科/サンコウチョウ属 |
学名 | Terpsiphone atrocaudata illex |
漢字 | 琉球三光鳥 |
時期 | 夏鳥 |
分布 | 沖縄、トカラ列島、奄美諸島、琉球諸島 世界分布は、台湾からフィリピン。 越冬地は東南アジア。 |
環境 | 広葉樹林、海岸林、ガジュマル群落 |
行動 | 広葉樹林帯や海岸林などの暗い場所で活動する。 木の頂上付近で行動することが多く、動きもすばしっこく忙しない。 空中採食や、刃先で低空飛行をして昆虫類をとらえる。 オサハシブトガラスやリュウキュウアカショウビン、カンムリワシに対して警戒行動を行い、鳴きながら体当たりを行う。 細い枝の又などにコケやクモの巣などでカップ状の巣を作る。 つがい以外にヘルパーが子育てを手伝うこともある。 サンコウチョウの巣立ちは早く、羽の生えそろっていないスズメのような見た目で巣立つ。 |