エリグロアジサシ

エリグロアジサシは、夏鳥として奄美大島以南の南西諸島に繁殖のため飛来するチドリ目カモメ科の鳥類です。
後頭部に黒い羽が広がっていて、その特徴から襟足が黒いアジサシ「エリグロアジサシ」と呼ばれています。

南西諸島ではよく見られますが、九州以北では珍しい鳥さんです。

エリグロアジサシの画像

岩場に佇むエリグロアジサシ
岩場でジッとしていたり:撮影時期6月
海水で水浴びするエリグロアジサシ
海水で水浴びしたり:撮影時期6月
こっちを向いているエリグロアジサシ
正面顔のエリグロアジサシ
名前の由来である後頭部の黒い羽が確認できるエリグロアジサシの画像
名前の由来である後頭部の黒い羽。襟足が伸びているみたい。
飛翔するエリグロアジサシ
飛びながらよく鳴いていました:撮影時期6月

エリグロアジサシの鳴き声

クロハラアジサシは、飛翔中やとまっているときに「ギィー」や「キュッ」と鳴きます。

繁殖地の岩場にカラスなどがやってきた時は、群れやつがいでモビング行動を行い、いつもよりも激しく鳴いています。

飛翔中の鳴き声

沖縄「小浜島」でのエリグロアジサシ

エリグロアジサシの飛来する岩場
エリグロアジサシの飛来する岩場。干潮時には頑張れば歩いて岩場まで行けそうな距離間です。繁殖期真っ只中で、交尾しているペアが写ってます:撮影時期6月

小浜島のエリグロアジサシは、細崎集落の近くの軍艦岩と呼ばれる岩場に飛来します。

軍艦岩は、干潮時には歩いて近くまで行けることもあり、至近距離でエリグロアジサシが観察できるスポットです。(エリグロアジサシがしきりに鳴いていたら、距離をとったり長居しないようにしてあげてください)

6月には軍艦岩で求愛給餌や交尾をしようとする姿も見られ、時折やってくるカラスにもモビングを行い警戒するなど、活発に行動しているのが観察できました。

軍艦岩までは細崎集落からは行けず、集落へ向かう道をそれて、海岸へ出る細道を通る必要があるので注意が必要です。

※後日、観察に行くと軍艦岩の奥にある岩場に移動していました。そちらは頑張ってもいけなさそうなので、エリグロアジサシ的には安心だと思いますが…残念。

会える時期

小浜島でのエリグロアジサシの観察記録
4月5月6月7月8月9月
下旬⚪︎◎ペア上旬◎
10月11月12月1月2月3月
◎:ほぼ毎日会える|○:数日おきに会える|△:数回しか会えない|ー:会えない|ペア:つがいで確認|若:若鳥確認|雛:雛確認|抱:抱卵確認|鳴:声はするけど姿は見えず(1人での調査記録となります。空欄項目は未調査期間。随時更新予定です。)

エリグロアジサシの図鑑情報

図鑑情報
種名エリグロアジサシ
サイズ/体重全長31cm(翼開長64-70cm)/約83-94g
英名Black-naped Tern
分類チドリ目/カモメ科/アジサシ属
学名Sterna sumatrana
漢字襟黒鯵刺
時期夏鳥(5月〜9月)
主に小浜島を含む南西諸島でよく見られる。九州以北ではまれ。
分布インド洋、太平洋南西部、東南アジアの島々、オーストラリア北部で繁殖し、非繁殖期は周辺海域に広く分布する
環境海上、沿岸の島、海岸、内湾、港など
行動集団行動をするが、ベニアジサシのような大きなコロニーは作らない。海面上を低空飛行をまじえて飛び回り、水面近くにいる魚類やイカ類などをとる。浅いダイビングもするが、ゆっくりとした感じで降りて、くちばしで挟みとる方法で狩りをすることが多い。
岩場や砂地の窪みに直接卵を産んで営巣する。1回に1〜2個の卵を産み、雌雄交代で抱卵する。抱卵期間は約24日。雛は生後28日程で巣立つ。

エリグロアジサシの動画

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