リュウキュウコノハズクは、留鳥として奄美大島以南に生息するフクロウ目フクロウ科の鳥類です。
夏鳥として本州に飛来するコノハズクとは別種で、コノハズクが「ブッ、ポゥ、ソウ」と鳴くのに対し、リュウキュウコノハズクは「コホッ」と一定の間隔で鳴きます。
渡りの時期には、場所によってコノハズクとリュウキュウコノハズクが同時に生息することもあり、その場合両者の識別は難しいです。
目次
リュウキュウコノハズクの画像
リュウキュウコノハズクの鳴き声
リュウキュウコノハズクは、夜〜明け方に「コホッ」と一定の間隔で繰り返し鳴きます。
繁殖期には、オスとメスで鳴きかわす様子も確認でき、オスの「コホッ」にメスが「ニャッ」と応える声も聴こえてきます。交尾時などには「キャキャキャキャキャキャ」と激しく鳴くこともあります。
またリュウキュウコノハズクの鳴き声は、繁殖期だけではなく一年中聞かれます。
オスの鳴き声
メスの鳴き声(少し離れてオスの鳴き声も)
※合間に鳴いている「ニャオー」という鳴き声は、インドクジャクです。
交尾時の鳴き声
コホッとか少し違う鳴き声
沖縄「小浜島」でのリュウキュウコノハズク
小浜島のリュウキュウコノハズクは、個体数が多いようで、夜になると林や茂みのあちこちから鳴き声が聴こえてきます。
繁殖初期の夜には、オスの呼びかけにメスが寄ってきたり、逆にオスが近づきに行ったりと活発に動く姿が見られます。
小浜島にはほとんど電灯が無いため、リュウキュウコノハズクが目の前の枝にとまっていたりしますが、ライトが無ければ何も見えない為、夜の観察ではライトの扱いに注意が必要です。
昼間のリュウキュウコノハズクは、たまに鳴き声が聴こえるものの、木を見ても茂みを見ても姿を見つけることができず…
小浜島にはオサハシブトガラスが多い為、枝にとまって休息することが少ないのではと仮定しています。(カラスが入りにくい葉や草が茂った場所で、昼間は休んでいる?)
これは日没後、鳴き声が聴こえてきてから、枝や葉などが混み合った地上部付近から枝に飛び移ってきた観察結果からの推測でもあります。
会える時期
小浜島でのリュウキュウコノハズクの観察記録 | |||||
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4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
夜⚪︎ | 夜⚪︎ペア | 夜⚪︎昼△ | |||
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
夜⚪︎ | |||||
◎:ほぼ毎日会える|○:数日おきに会える|△:数回しか会えない|ー:会えない|ペア:つがいで確認|若:若鳥確認|雛:雛確認|抱:抱卵確認|鳴:声はするけど姿は見えず(1人での調査記録となります。空欄項目は未調査期間。随時更新予定です。) |
リュウキュウコノハズクの図鑑情報
図鑑情報 | |
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種名 | リュウキュウコノハズク |
サイズ/体重 | 全長22cm(翼開長55cm)/約70-125g |
英名 | Ryukyu Scops Owl |
分類 | フクロウ目/フクロウ科/コノハズク属 |
学名 | Otus elegans |
漢字 | 琉球木葉木菟 |
時期 | 奄美大島以南で1年中生息する留鳥 |
分布 | 台湾(蘭嶼(らんしょ)、日本(奄美大島以南)、フィリピン(バタン島) |
環境 | 森林、海岸林、茂みなど |
行動 | 日没とともに行動を始めることが多いが、稀にまだ明るい時間帯でも目線の高さの木陰にとまっていたりする。 日没から明け方まで、鳴き声がよく聴こえ、たまに昼でも鳴いている。が、昼間に探すのは、困難。夜は活発に行動するため、姿を見つけやすい(ライトが必須なので、直接コノハズクの目に当てないように注意) 羽音を出さずに飛び回り、主に夜行性の飛んでいる昆虫類や樹上にいるヤモリなどをとる。 主に樹洞の底に直接卵を産んで繁殖するが、オオタニワタリの葉の中の根本やアリ塚の中を巣にする事もある。 1〜4個の卵を産み、抱卵•育雛共にそれぞれ約1ヶ月を経て、雛が巣立つ。 |