
インドクジャクは、インドやスリランカなどに自然分布するキジ目キジ科の鳥類です。
小浜島では、観賞用として連れてこられた個体が逃げ出し、島内で繁殖。
今では小浜島全域に生息しています。
ちなみに世界のクジャクは、インドクジャクの他に、ベトナムやマレー半島などに生息するマクジャク、アフリカのコンゴ盆地に生息するコンゴクジャクが確認されています。(計3種)
目次
インドクジャクの画像





白いクジャクの正体

インドクジャクの群れの中に、たまに白いクジャクが混じっています。
白い動物と言えば、アルビノがよく思い出されますが、このインドクジャクはアルビノ個体ではなく白変種と呼ばれるものです。
白いクジャクは白変種
白変種とは、色素の減少によって、体毛・羽毛・皮ふ等が白化した動物の個体。
突然変異によって生じますが、メラニンに関係する遺伝情報の欠損により白化したアルビノとは異なる個体です。また白変種のメラニン産生能力は正常で、アルビノのように瞳孔が赤く透けることはありません。
白変種が生じる理由
白変種が生じる理由で現在考えられているのが、氷河期時代の名残というものです。
氷期と間氷期を繰り返してきた環境を生き抜いた現存の生物にとって、氷河期には保護色となる白変種は、生物が生き抜くためには有利な基本的資質であったと考えられます。
そのため現在も、生物が白化する遺伝情報は基本的な遺伝子として、生物に脈々と受け継がれていて、たまに突然変異で白い個体が生まれてきてしまうわけです。
白いインドクジャク以外にも白変種には、トラやライオン、ヘビやワニなど様々な生物で確認されています。
インドクジャクの鳴き声
インドクジャクの鳴き声は、かなり大きく「ニャハーニャハー」や「アハーアハー」と聴こえます。
その鳴き声は、初めて聴くと猫が鳴いていると感じる人もいるくらい猫っぽい時もあります。
オスのけたたましい鳴き声
ラッパみたいな鳴き声(警戒音?)
ラッパみたいな鳴き声2
ラッパみたいなインドクジャクの鳴き声は、雛を連れたメスがよく発することから、雛に対する警戒の意味をあるのではと考えています。
【聞きなし】人によっては「ケーフー」や「careful」と、どこからともなく「気をつけろ」と言われていると感じるようです。
沖縄「小浜島」でのインドクジャク

小浜島のインドクジャクは、島内の至る所に生息していて、どこからでもインドクジャクの鳴き声が聴こえてきます。
姿を見る事はかなり簡単ですが、警戒心が強い個体が多く、人の気配を感じるとすぐに逃げてしまいます。
逃げる際は走ったり、助走も無く飛んで行ったりするので、インドクジャクの大きさと相まって迫力のある光景が広がります。
小浜島のインドクジャクは、農耕地や林の中、リゾートホテル内のゴルフ場でよく見られ、夜は木の上で休息します。
繁殖期には島のあちこちで、立派な飾り羽を持ったオスが羽を広げ、けたたましい鳴き声が響き渡ります。
元々観賞用として連れてこられた個体が逃げ出して繁殖している為、島の生態系への影響が危険視されています。(実際、小浜島ではヘビやトカゲなどの姿を見ることが極端に少なく、インドクジャクの影響があると思われます)
その為、小浜島にはインドクジャクを捕獲するための罠が島中に設置されていて、たまに捕まったインドクジャクも見られます。
外来種問題
インドクジャクは、小浜島を含む沖縄県の先島諸島(宮古列島の宮古島、伊良部島。八重山列島の石垣島、小浜島、黒島、新城島、与那国島)に定着しており、トカゲ等の小型固有種を捕食し問題となっているため、生態系被害防止外来種に指定され駆除が進められている。
ですが、小浜島に限って言うと、積極的な駆除がされている感じはなく、その大きさも相まって島1番の存在感のある鳥類となっています。
会える時期
小浜島でのインドクジャクの観察記録 | |||||
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4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
◎ | |||||
◎:ほぼ毎日会える|○:数日おきに会える|△:数回しか会えない|ー:会えない|ペア:つがいで確認|若:若鳥確認|雛:雛確認|抱:抱卵確認|鳴:声はするけど姿は見えず(1人での調査記録となります。空欄項目は未調査期間。随時更新予定です。) |
インドクジャクの図鑑情報
図鑑情報 | |
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種名 | インドクジャク |
サイズ/体重 | オスの最大全長230cm。メスは全長86-90cm。翼長オス44-50cm、メス40-42cm。体重はオス4-6kg/メス2.8-4kg |
英名 | Indian Peafowl |
分類 | キジ目/キジ科/クジャク属 |
学名 | Pavo cristatus |
漢字 | 印度孔雀 |
時期 | 留鳥(外来種) |
分布 | インド、スリランカ、ネパール南部、パキスタン東部、バングラデシュ西部に自然分布。オーストラリア、日本(主に南西諸島の一部)、ニュージーランドへ移入種として分布 |
環境 | 農耕地、森林、ゴルフ場、茂みなど |
行動 | 標高1,500m以下にある落葉樹林やその周辺、農耕地などに生息する。主に地上生活をし飛翔することは苦手だが、危険を感じると普通に飛べる。 オス1羽とメス数羽からなる小規模な群れを形成し生活するが、オス同士で集まっている群れもある。 昼行性で、夜間は樹上で休む。食性は雑食で、昆虫、節足動物、小型爬虫類、両生類、植物の葉、果実、種子などを食べる。 繁殖期になるとオスは単独で生活し、大声で鳴きメスに求愛する。茂みの中に窪みを掘った巣に、インドでは1-4月に1回に3-8個の卵を産む。抱卵期間は27-29日。メスのみが育雛を行う。 |